¡FELIZ NAVIDAD!
フェリス・ナビダ!
メリークリスマス!
スペインで最も大切な祝日がやってきました。
ウエスカは快晴だったので、モンテアラゴン城へ行きました。
「モンテ」は「山」、「アラゴン」は「アラゴン王国」を意味します。
ウエスカ市内から車で約15分。
丘の上に中世の城跡が佇んでいます。
畑に囲まれた道路を進みながら、城を目指します。
11世紀~12世紀にかけて建設されたロマネスク様式の城は、国の文化財に指定されています。
中世の面影を残す主塔がかろうじて残るのみで、現在は廃墟と化しています。
この城はどのような目的で建てられのでしょう。
丘を登りきると、城が建つ丘の位置がよく分かります。
北に連なるのはプレピレネー山脈。
この山脈を越えた更に北にピレネー山脈が位置しています。
そして南にはウエスカの町が見えます。
城が建てられた11世紀末頃、キリスト教徒対イスラム教徒の構図を取る、
国土回復運動の最前線がまさにこの地点にありました。
ピレネー山中で誕生し、南へと領土拡大を進めるアラゴン王国の前に立ちふさがったのが、
現在のウエスカ市にあったイスラム教徒の拠点WASCA(ワスカ)です。
ワスカの攻略拠点としてアラゴン王国によって建てられたのがモンテアラゴン城でした。
1096年、「アルコラスの戦い」によりワスカの国土回復運動は完了します。
この戦いが繰り広げられた場所には、現在サッカースタジアムが建っています。
SDウエスカのホームスタジアムの名前がアルコラスなのは、この有名な戦いに由来しています。
国土回復運動後、町の名前はワスカからウエスカへ代わり、
町中にはロマネスク様式のキリスト教建築が建ち始めます。
繁栄する町とは対照的に、役割を終えた城は、その後廃墟と化してゆきました。
城からはプレピレネー山脈の名所がよく見えます。
『ローランの歌』で知られる騎士ローランが馬にのって飛び越えたと言われる「サルト・デ・ロルダン」や、
ピレネー山脈を代表するグアラ山脈が見えます。
綺麗な朝日や夕暮れが楽しめるスポットとして地元民に人気があるのも頷ける景色です。
お腹を空かせて家に戻るといい匂いがただよっています。
クリスマスの昼食に欠かせない七面鳥のオーブン焼きです。
色々な種類のエビは前菜用です。
クリスマスや元旦など、めでたい日にはエビやカニの前菜に登場します。
毎年このシーズンが来ると、海鮮の名産地であるガリシア州の活気にあふれた市場がニュースに登場しますが、
今年はレストランやホテルへの出荷が激減したことと、
大人数で集まることができないため家庭消費も落ち込み、
例年とは比べ物にならないほど出荷が減ったと報道されていました。
前菜のエビは鉄板焼きです。
エビの旨みが口に広がります。
燻製サーモンにアストゥリアス産チーズを散らした一口スプーン、
その隣にはガリシア産のカサゴのパテを塗ったクラッカーが添えてあります。
メインは七面鳥と詰め物の盛り合わせです。
左からアンズ、プルーン、ロンガニサ・ソーセージ、
ペロータと呼ばれるハンバーグのようなもの、栗。
旨みが凝縮されたソースを付けて食べます。
デザートは色々な種類のトゥロン(ヌガー)です。
アーモンドを使った「ヒホーナ」と呼ばれる伝統的なトゥロン、
卵黄をたっぷり使った濃厚なもの、
チョコレート味、クリーム味などなど。
一口サイズに切り、クリスマス期間中に少しずつ楽しみます。
今年もクリスマスを祝えたことに感謝です。