ナバラ
Navarra
牛追いの町パンプローナと、巡礼路の玄関口
ナバラ地方は歴史と文化の交差点です。大西洋とイベリア半島内陸部を繋ぐ中継地点として重要な役割を果たし、北部に連なるピレネー山脈は、サンティアゴ巡礼路を通じてフランスとスペインを結んできました。
多様な景観が共存する州としても知られています。北部のピレネー山脈、中部の丘陵地帯、南部のエブロ盆地へとランドスケープがみるみる内に変化していきます。ナバラの新鮮な農作物やチーズは、豊かな自然の結晶です。
フランシスコ・ザビエル生誕の地である「ザビエル城」や、州都パンプローナの「牛追い祭り」でもお馴染みの地域です。
小さいながらも見応えの満載のナバラを覗いてみましょう。
- 基本情報
- ナバラ見どころ6選
- 自由に選ぶ旅
ナバラ
ナバラはスペインに 17 ある自治州の一つです。イベリア半島北部に位置しており、ナバラ県のみで構成される一州一県の自治州です。州都パンプローナは、毎年 7 月に開催されるサン・フェルミン祭り、通称「牛追い祭り」で有名な町です。
州中央部に位置するパンプローナの周りを見渡すと、小規模ながらも多様な自然景観を持つナバラの地形が良く分かります。北西はバスク山地、北東はピレネー山脈、南はエブロ盆地に囲まれた、起伏に富んだ、豊かな自然に囲まれているのです。
ピレネーを挟んで隣り合うフランスとは、いくつもの峠で結ばれています。イバニェタ峠はサンティアゴ巡礼路の難所として特に有名です。フランスのサン・ジャン・ピエ・デ・ポーから、峠を越えてスペインのロンセスバジェスへ入り、パンプローナへと延びる巡礼路は、その後、プエンテ・ラ・レイナやエステージャなどの有名な宿場町を通り、リオハ州へとバトンを渡します。
その他にも、ナバラ・ピレネー山中には、ナバラ王国時代に「王国の心臓」と称された名ロマネスク建築であるレイレ修道院や、日本でもお馴染みのフランシスコ・ザビエルが生まれたザビエル城、美しいブナ林で有名な「イラティの森」など、自然と史跡を楽しめるスポットが沢山あります。バスク地域に含まれるナバラ州は、バスク州やフレンチ・バスクと歴史的・文化的繋がりも強く、これらの地域とともに訪ねることで、旅のおもしろさも更に増すことでしょう。
基本情報
人口|約 63 万人 (第 15 位 / 17 自治州)
面積|10,391 km2 (第 11 位 / 17 自治州)
州都|パンプローナ
アクセス
パンプローナ
空港|国内、欧州
列車|マドリッド、バルセロナ、ビトリア
バス|マドリッド、バルセロナ、サン・セバスチャンなど北スペイン諸都市
ナバラの見どころ6選
見どころ1 多様な自然景観
ナバラ州の地形は、ピレネー山脈からエブロ川流域へと続くなだらかな斜面の中で展開されます。北部の山岳地帯、中央部の丘陵地帯、南部の平野の3つに分けることができます。ブナやオークの林が茂るピレネー山脈や、緑豊かなアララル山地、半砂漠地帯であるバルデナス・レアレス、ナバラ特産の野菜がとれる耕作地帯など、小さな面積の中に多様な景観が共存しています。長距離移動をせずとも、南へ向かうに従って、山の景色がゆるやかに低地へと変わる様子を体感することができるのが、ナバラの地形の特徴です。
見どころ2 サンティアゴ巡礼路
ナバラは、サンティアゴ巡礼路における、スペインの玄関口です。フランスのサン・ジャン・ピエ・デ・ポーからピレネー山脈を超えた「フランス人の道」はナバラ地方からスペインへ入ってきます。巡礼路沿いから、ナバラの自然景観をゆっくりと眺めつつ、歩くことができます。スペイン最初の宿場町であるロンセスバジェスから山を下り、州都パンプローナ、更にエステージャ、プエンテ・ラ・レイナなど巡礼路を代表する町へと歩を進めるうちに、みるみると変わる景色に出会うことでしょう。
見どころ3 建築物
スペイン内陸部と大西洋やフランスを結ぶ交易拠点として繁栄したナバラには、その歴史を物語る数々のモニュメントが残っています。ピレネー山中には日本でもお馴染みのキリスト教宣教師フランシスコ・ザビエルが生まれたザビエル城や「国土回復運動」全盛期に「ナバラの心臓」と称された名ロマネスク建築であるレイレ修道院などがあります。同じくロマネスク建築では、エステージャのロマネスク教会群や平野にぽつんと建つ八角形の珍しい形をしたサンタ・マリア・デ・エウナテ教会、トゥデラ大聖堂などが有名です。お城のような外観を持つ美しいゴシック建築であるオリーテ王宮もナバラを代表するモニュメントです。
見どころ4 食
「スペインで野菜の名産地といえばナバラ」と言われるほど、新鮮な野菜の名産地として知られています。特にロドサ村原産のピキージョという小柄な赤パプリカは、ほぐした鱈の身入りのクリームソースを詰めてフライや煮込み料理にしたり、メイン料理の付け合わせやタパスとして、様々な場面で活躍する食品です。ボリュームのある白アスパラやアンティチョークは、オリーブオイルと塩をかけるだけで旨みが引き立ちます。その他にも、ロンカル村やイディアサバル村のチーズ、ナバラ産オリーブオイル、赤ワインやカバ、チストラソーセージ、ナバラ風鱒料理、ポチャスという白インゲン煮込みなど、自然の恵みを感じることができる食材・料理が目白押しです。パンプローナの有名なバル通りであるサン・ニコラス通りで、これらの食材を気軽においしく食べるのも良いでしょう。
見どころ5 牛追い祭り
毎年7月、州都パンプローナではサン・フェルミン祭りが開催されます。日本では「牛追い祭り」の名で知られている、スペインを代表するお祭りです。ヘミングフェイの小説『日はまた昇る』で世界的に知名度が上がり、外国人観光客もたくさん訪れます。お祭り期間中は毎朝8時に、「牛追い」が繰り広げられます。その日の闘牛に出場する牛たちが、囲い場から闘牛場へ、旧市街地を通り移動する行事に、人びとが加わり一大イベントへと変貌を遂げました。ひずめの音を響かせながら、ものすごいスピードで駆け抜ける牛たちの迫力と臨場感はこのお祭りでしか味わうことができない瞬間です。
見どころ6 バスク地方としてのナバラ
スペインの行政単位である州とは別に、バスク語が話される文化的・歴史的繋がりを持つ地域を「バスク地域」と呼びます。バスク州、ナバラ州、フレンチ・バスクから構成される地域です。「ナバラ」とはスペイン語名で、バスク語ではナファロアと呼ばれます。バスク州と州境を接する北ナバラを中心に現在でもバスク語が使われており、ナバラの歴史を紐解くとバスク地方との深い繋がりが見えてきます。パンプローナから車でビルバオまで2時間、サン・セバスチャンまで約1時間、ビアリッツまで約1時間半のアクセスの利便性を活かし、バスク地方としてナバラを訪れるのも良いでしょう。
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