グリーンスペインの村
Pueblos de España Verde
グリーンスペインという言葉を聞いたことがありますか?
乾燥していて、暑いイメージの強いスペインですが、日本の 1.3 倍の国土には実に多様な自然景観が広がっています。その一つが、北スペインに位置する、通称「グリーンスペイン」と呼ばれる地域です。
ロンドンと同じように西岸性海洋性気候に属するこの地域では、雨が良く降るため、豊かな自然に緑が茂っています。
北スペイン特有の大西洋沿岸部の海の風景や、内陸部に連なるカンタブリア山脈の山の風景とともに、瑞々しい緑の美しさを満喫しましょう。
- どこにあるの?
- どんなところ?
- 何ができる?
- スペイン・バスク
- フレンチ・バスク
- カンタブリア
- アストゥリアス
- 自由に選ぶ旅
グリーンスペインの村々の位置
グリーンスペインとは、大西洋沿岸に位置する 4 州の総称です。バスク州、カンタブリア州、アストゥリアス州、ガリシア州から構成されます。
「グリーン」という言葉が示すように、スペインの他地域と比べ、緑が多いことが特徴です。ロンドンと同じく西岸海洋性気候に属すグリーンスペインでは、雨が良く降り、温暖なため、植物が良く育つのです。
山麓を染める瑞々しい緑と海岸線を彩る青のコントラストは、スペインの中でも北部ならではの風景です。
最寄りの空港
バスク州|ビルバオ空港 / サン・セバスチャン空港
カンタブリア州|サンタンデール空港
アストゥリアス州|アストゥリアス空港
ガリシア州|サンティアゴ空港 / ビーゴ空港 / ア・コルーニャ空港
グリーン・スペインの村
グリーン・スペインは、大西洋に面した沿岸部と、内陸に広がる山間部に大きく分けることができます。
沿岸部に目を向けると、北大西洋の海域の一つであるカンタブリア海に沿って、急峻な崖や静かな砂浜、良質な漁港が、美しい海岸線を描いています。厳しくも美しい海と海岸線を舞台に、人びとの暮らしが営まれてきました。寒流と暖流の潮目の恩恵を受ける好漁港では、ビンナガマグロやカタクチイワシ、カレイなどが水揚げされます。ヨーロッパ諸国との交易の拠点なる商業港は北スペインの経済を支えてきました。地中海に比べると水温の低いカンタブリア海ですが、その温暖な気候により、スペイン王侯貴族の避暑地として不動の人気を得てきた場所でもあります。
内陸部に目を向けると、カンタブリア海と平行するように、カンタブリア山脈が東西 480 kmに渡り連なっています。カンタブリア海にそそぐ数々の河川の源流がある、北スペインの生態系の源です。山脈西部に位置する「ピコス・デ・エウロパ国立公園」のトーレ・セレード (2650m) を頂点に、東へ伸びるに従って、山岳景観はなだらかな山地へと姿を変えます。
小さな村は、海岸沿いにも、山間部にも、共通する風景です。海岸線の合間を縫うように、美しい浜辺を見守るように、小さな村が点在します。海岸線と山岳地帯の間の谷で、山の麓で、人里離れた山奥で、小さな村が今日まで土地の歴史を紡いでいます。
厳しい自然環境の中に佇む村を訪ね、伝統家屋の間を歩く。古い教会の鐘の音に耳を澄まし、市場で地元の食材を香りを吸い込む。小さな食堂で地元民と肩を並べて食事をしながら、暮らしに根差した村時間を過ごす。そんな時間を過ごせる場所が、グリーン・スペインです。
グリーン・スペインの村で何しよう?
大自然の中で、村時間をゆっくり過ごしましょう。
何もしなくても、心が満たされるはずです。
◎ 山と海の景色を楽しむ。
◎ ぶらぶら歩きを楽しむ。
◎ 建築を楽しむ。
◎ レストランでのんびり過ごす。
スペイン・バスクの村々
ゲタリア Guetaria
エリア|バスク州 ギプスコア県
サン・セバスチャンから約 25 kmに位置する、ギプスコア県の中でも屈指の美しさを誇る港町です。
旧市街から港へと延びる目抜き通りには、歴史ある町並みや中世の教会、
地元の特産品を数多く取り扱うグルメショップにブティックが並び、散策を満喫することができます。
港へ出ると、ずらりと並ぶレストランのテラスに腰を下ろして、滋味に富む料理に舌鼓を打ちましょう。
ゲタリア名物の魚の炭火焼きは、原産地呼称が認められたチャコリ (微発泡の若飲み白ワイン) との愛称が抜群です。
オンダリビア Hondarribia
エリア|バスク州 ギプスコア県
サン・セバスチャンから 18 kmに位置するオンダリビアは、小湾を挟んでフランスと向かい合う、国境沿いの港町です。
城壁に囲まれた旧市街地に足を踏み入れると、カラフルな木組みが可愛らしい、バスク地方の伝統家屋が旅人を出迎えます。
中世の要塞は、国営ホテル「パラドール」に生まれ変わり、宿泊はもちろん、カフェテリアで小休憩もおすすめです。
レストランが立ち並ぶ港沿いでは、「世界一の魚介スープ」との呼び声高い郷土料理や、バルでピンチョスを味わうことができます。
ゲルニカ Guernica
エリア|バスク州 ビスカヤ県
バスクの歴史を象徴する町として有名なゲルニカは、内陸部の山間に位置しています。
歴代の統治者が宣誓をした「ゲルニカの木」がある議事堂は、バスク精神を現在に伝える場所です。
ピカソの絵でも有名なスペイン内戦での甚大な被害は、町の中心部に建つ平和博物館により、語り継がれています。
毎週月曜日には市が開かれ、地域の農産物や特産品が集まります。
トロサ Tolosa
エリア|バスク州 ギプスコア県
オリア川のほとりに位置するトロサは、ギプスコア県の古都として栄えた街です。
ナバラやカスティーリャなどのスペイン内陸部とフランスを結ぶ交易拠点として繁栄しました。
毎週土曜日には、地域の農産物が集まる市が開かれ、地元民で賑わいます。
繁栄の名残を感じさせる立派な建築物やブティックが集まる歴史地区を散策したら、
たくさんのレストランが軒を連ねるレストラン通りで、地元食材を満喫しましょう。
分厚いビーフ・ステーキ「チュレトン」や、トロサの黒豆の煮込み、イバーラ村産の青唐辛子の酢漬けがおすすめです。
ラ・グアルディア Laguardia
エリア|バスク州 アラバ県
ラ・リオハ州と州境を接するバスク南部の町は、小高い丘の上に建っています。
中世の城郭都市に起源を持つ町は、ワインの町として知られています。
町の地下には、酒蔵として利用された洞穴が数多く保存され、現在もワイナリーとして使われています。
サンタ・マリア教会では、スペインで最高峰の保存状態を保つ多彩装飾のファザードを見ることができます。
眺望台からは、スペイン随一のワイン生産地である、リオハ州のブドウ畑をご覧あれ。
フレンチ・バスクの村々
アイノア Ainhoa
エリア|フランス、アキテーヌ地域圏
スペイン・ナバラ州からピレネー山脈のなだらかな峠を越え、しばらく進むと、小さな村が見えてきます。
山間部ののどかな風景と森に囲まれたアイノアは、一本の目抜き通りからなるフレンチバスクの村です。
その起源は中世までさかのぼり、サンティアゴ巡礼路の宿場町として発展しました。
赤や緑の木組みが美しい伝統家屋がフレンチ・バスクの典型的な町並みをつくり出しています。
隠れ家的なホテルやレストランがあり、読書や散歩をしながら、ゆっくりと滞在するのにぴったりです。
エスペレット Espelette
エリア|フランス、アキテーヌ地域圏
アイノアから目と鼻の先、6 kmに絵葉書のような風景が広がる村があります。
「赤トウガラシの村」として有名なエスペレットです。
旧市街に立ち並ぶ伝統家屋の外壁には、特産品である乾燥赤唐辛子がぶら下がっています。
地元産のチョコレートやチーズを扱うグルメショップや、可愛い小物が並べられたブティックを眺めながらの散策が楽しめます。
サール Sare
エリア|フランス、アキテーヌ地域圏
ピレネー山脈に属するラ・リューヌ山の麓に、「スペインで最も美しい村」のひとつであるサールはあります。
村から 4 km の地点には、1924 年に開通した登山列車「ラ・リューヌ」の駅があり、展望スポットとして人気です。
片道 35 分、昔ながらの黄色い列車に揺られながら、美しい里山の風景をお供に山を登ります。
905m の山頂駅へ到着する頃には、眼前に大西洋が姿を現し、山バスクと海バスク、スペインバスクとフレンチバスクを眺めることができます。
バイヨンヌ Bayonne
エリア|フランス、アキテーヌ地域圏
フレンチ・バスクの中心都市であるバイヨンヌは、市中を流れる 2 本の川により、3 つの地区に分かれています。
二―ヴ川のほとりに位置する旧市街地には、バスク地域の伝統家屋に彩られたおとぎ話のような街並みが広がります。
世界遺産に登録されるサント=マリー大聖堂、城壁跡が目を引きます。
生ハムやチョコレートなどの特産品もご賞味あれ。
サン・ジャン・ド・リュズ Saint-Jean-de-Luz
エリア|フランス、アキテーヌ地域圏
小湾に面した海の町、サン・ジャン・ド・リュズは、17 世紀の町並みを残す、南フランスの随一の避暑地です。
バスクリネンのお店や、小物のブティックなど、ショッピングと海岸沿いの散策が楽しめます。
洗礼者ヨハネ教会は、町の歴史が感じられる木造の内装が必見です。
ビアリッツ Biarritz
エリア|フランス、アキテーヌ地域圏
保養地として名を馳せ、ヨーロッパの王侯貴族がこぞって訪れたビアリッツは、フランスを代表する高級リゾート地です。
大西洋を望む町の中心地には有名ホテルが建ち、優雅な雰囲気がただよっています。
ビーチに目を向けるとサーファーや若者も多く、高級感とカジュアルな雰囲気が同居する開放的な町です。
天気が良ければ、橋を渡り「聖母の岩」へ行ってみましょう。
船出する漁師たちの無事を願い建てられたマリア像を見たり、ビアリッツの町を一望することができます。
カンタブリアの村々
サンティジャーナ・デル・マル Santillana del Mar
エリア|カンタブリア州
北スペインで最も美しい村と称されるサンティジャーナ・デル・マルは、のどかな田園風景に囲まれた中世の町です。
石畳の道を進むと、紋章が残る昔の邸宅やロマネスク教会が現れ、歩くだけで歴史の重みを感じることができます。
村から 2.5km には、先史時代に描かれた壁画で有名なアルタミラ洞窟博物館があります。
実寸大レプリカを間近で見てみましょう。
「洞窟壁画のシスティーナ礼拝堂」と称される、躍動感と立体感溢れるバイソンや馬、鹿の描写は圧巻の一言に尽きます。
コミージャス Comillas
エリア|カンタブリア州
コミージャスは、カンタブリア海を臨む小さな港町です。
国王の避暑地として利用された歴史を持ち、小さな町ながらも、さまざまな美術様式の建築物が目を引きます。
特に目立つ「エル・カプリッチョ(奇想館)」は、アントニ・ガウディの初期の作品です。
カラフルなタイルで飾られた折衷様式の外観と、美しい木造の内装を持つ邸宅には、ガウディの建築家精神が細部にまで詰まっています。
伝統家屋や小さな商店、レストランが立ち並ぶ旧市街地を通り抜け、海岸まで出ると、静かな砂浜とカンタブリア海が出迎えてくれます。
ポテス Potes
エリア|カンタブリア州
ポテスは、カンタブリア州を代表する山村です。ピコス・デ・エウロパ山塊の景色に囲まれた、平地に位置しています。
プエンテ (橋) に語源を持つ町の名の通り、古い石橋が町のトレードマークです。
郷土料理であるコシード・レバニエゴ (リエバナ風煮込み料理) は、厳しい冬を乗り越えるための、栄養満点の一皿です。
近隣のロマネスク建築やピコス・デ・エウロパ国立公園と併せての訪問がおすすめです。
リエバナ Liébana
エリア|カンタブリア州
リエバナ群は、山岳地帯や渓谷に囲まれた「山のカンタブリア」を象徴する地域です。
中心都市であるポテス村の周りには、観光開発に侵食されていない、農村の姿が残っています。
村の散策や山登り、ロマネスク建築巡りをしましょう。
フエンテ・デ村のロープウェイに乗れば、ピコス・デ・エウロパ国立公園の山頂までひとっ飛びです。
聖十字架の最も大きな木片を聖遺物として保管するサント・トリビオ修道院も必見です。
エルサレム、ローマ、サンティアゴ・デ・コンポステーラに続く、キリスト教の聖地であり、カンタブリア海岸から延びる巡礼路「レバニエゴの道」の最終目的地となっています。
アストゥリアスの村々
カンガス・デ・オニス Cangas de Onís
エリア|アストゥリアス州
ピコス・デ・エウロパ国立公園のアストゥリアス側の登山口として知られるカンガス・デ・オニスは、アウトドアスポーツ愛好家で賑わう山麓の町です。
町のトレードマークである、巨大なローマ橋には、コバドンガの闘いを記念する「勝利の十字架」がかかっています。
村から 10 km地点には、国土回復運動の発祥地と考えられているコバドンガの洞窟があります。
そこから更に進み、標高を上げてゆくと、山の景色に大西洋が顔をのぞかせ始めます。道路を登り切り、現れるのはコバドンガ湖です。
湖畔のピクニックスペースやハイキングロードを利用して、ピコス・デ・エウロパ国立公園の大自然を気軽に楽しみましょう。
クディジェロ Cudillero
エリア|アストゥリアス州
クディジェロは、アストゥリアス州で最も美しい港町といわれる村です。カラフルな外壁をまとった家が立ち並びます。
丘の上から、海辺から、色々な角度から町を眺め、散策をしましょう。
坂の下り港へ出ると、美味しそうな匂いが立ち上るレストランが並んでいます。
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