アストゥリアス

アストゥリアスはスペインに 17 ある自治州の一つです。イベリア半島北部に位置しており、アストゥリアス県のみで構成される一州一県の自治州です。

州都は内陸部に位置するオビエドです。「国土回復運動」の始まりを告げる「コバドンガの戦い」以降、次第に勢力を増していくアストゥリアス王国の都が置かれた街は、1200 年以上の歴史を誇ります。美しい旧市街地はカラフルな伝統家屋や大聖堂、市場など見どころが満載です。

州都オビエド

カンタブリア海沿岸には州最大都市であるヒホンがあります。開放的な港町は大西洋の貿易港として栄え、旧市街地や美しいビーチ、賑やかな新市街地などを訪ねながら、街歩きを楽しめます。沿岸部には、クディジェロやアビレスなど魅力的な港町が多数あります。

州最大都市ヒホン

アストゥリアスは、スペインを代表する自然の宝庫でもあります。州内陸部を東西に連なるカンタブリア山脈は圧巻の一言です。スペイン国土のわずか 2%を占める州ですが、4 つの生物圏保護区、1 つの国立公園、5 つの自然公園、10 の自然保護区、35 の天然記念物を内包しています。ピコス・デ・エウロパ国立公園やソミエド自然公園では緑あふれるアストゥリアスの自然を体感することができるスポットとして人気です。

ピコス・デ・エウロパ国立公園

アストゥリアスの見どころ５選

• 見どころ１　アストゥリアス二大都市
• 見どころ２　カンタブリア山脈の大自然
• 見どころ３　文化遺産探訪
• 見どころ４　食
• 見どころ５　グリーンスペインを楽しむ

見どころ１　アストゥリアス二大都市

オビエドは、アストゥリアスの美しい山並みに囲まれた州都です。イベリア半島初のキリスト教王国の王都であったことを物語るように、歴史都市としての面影が感じられます。旧市街地には、アストゥリアスとオビエドの歴史が凝縮された宝物庫「カマラ・サンタ」で有名なエル・サルバドル大聖堂や、美術館、博物館、市場など、見どころが満載です。ガスコナ通りはバル通りとして知られ、地酒であるシードル (リンゴ酒) やタパスを楽しめます。

コスタ・ベルデ (緑の海岸) と呼ばれる沿岸部に位置するヒホンは、州最大の都市にして、スペインを代表する港湾都市です。大西洋に開けた開放的な雰囲気のなかに、 1 世紀のローマ遺跡から 20 世紀の近代彫刻が調和する文化都市でもあります。半島のように突き出た旧市街地には城壁跡や旧邸宅、漁師町の伝統家屋が残り、新市街地にはブティックやレストラン・バルがひしめく賑やかな通りがいくつもあります。北スペインを代表するサン・ロレンソビーチの周りをのんびり散策するのも良いでしょう。

州都　オビエド

州最大都市　ヒホン

ヒホンの現代彫刻

見どころ２　カンタブリア山脈の大自然

スペイン国土のわずか 2%を占めるアストゥリアスですが、自然景観の多様性は目を引くものがあります。4 つの生物圏保護区、1 つの国立公園、5 つの自然公園、10 の自然保護区、35 の天然記念物を誇る自然の宝庫なのです。大自然を一望できる眺望台や山上湖、ヒグマやアカシカ、オオカミが生息する深い渓谷、オークやブナの森など、様々な景観を楽しむことができます。州東部に位置するピコス・デ・エウロパ国立公園は自然景観とアストゥリアスの歴史に触れられる人気のスポットです。登山が好きな方には、アストゥリアス内陸部を東西に通る全長 600 km のロングトレイル GR109 がおすすめです。

コバドンガの洞窟

ピコス・デ・エウロパ国立公園　山上湖

ピコス・デ・エウロパ国立公園

見どころ３　文化遺産探訪

アストゥリアスには大自然の中で育まれた文化遺産が多数あります。世界遺産に登録される三つの文化遺産は、先史時代と中世に起源を持つ歴史的なものです。最も古いものは、「アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術」として登録される５つの洞窟です。

「オビエドとアストゥリアス王国の建造物群」では、キリスト教王国としていち早く栄華を極めたアストゥリアス王国の歴史を伝えるプレ・ロマネスク建築群にスポットが当てられています。サンタ・マリア・デル・ナランコ教会や、サン・ミゲル・デ・リージョ教会に代表される８世紀~10世紀の建築群は千年以上の時を超えた歴史の重みを感じさせます。

「サンティアゴ巡礼路」は、９世紀にアストゥリアス王国の王様であったアルフォンソ２世により創設されました。アストゥリアスには２本の主要巡礼路が通っています。１つはアルフォンソ２世がたどった内陸ルート「プリミティボの道 (最初の道) 」、もう一つは大西洋沿岸部を通る「北の道」(世界遺産) です。

サン・ミゲル・デ・リージョ教会

サンタ・マリア・デル・ナランコ教会

アストゥリアスのプレロマネスク建築

見どころ４　食

アストゥリアスといえば、兎にも角にも「ファバーダ」です。大粒の白インゲンをチョリソーや豚肉と煮込んだ料理は一皿に土地の味が凝縮されています。腕を伸ばして高いところから注がれ、グラスに弾けて香りが引き立つ「シードル」は地酒リンゴ酒です。アストゥリアス産シードルはスペイン国内で 80% のシェアを誇ります。バルやレストランで気軽に 1 杯から頼めます。地元のチーズや新鮮なイワシ、カツオ、ホタルイカ、ロブスター、カニとの相性は抜群です。家庭料理カチョッポ (チーズをはさんだビーフカツレツ) やカサゴのパテもお忘れなく。

地酒シードル（リンゴ酒）

大粒の白インゲン豆をつかった郷土料理「ファバーダ」

牛肉も有名です。

見どころ５　グリーンスペインを楽しむ

アストゥリアス州を含めた、バスク州、カンタブリア州、ガリシア州の 4 州をまとめて「グリーンスペイン」と呼びます。スペインの他の地域に比べ降水量が多く、緑豊かな自然が広がっているため、このような呼び名が付きました。グリーンスペインを楽しむ方法は様々です。大西洋の海岸線を聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへと延びるサンティアゴ巡礼路「北の道」を歩けば、風景や郷土料理とともにじっくりと北スペインを知ることができます。バスや列車の利便性が高い州都巡りも良いでしょう。豪華 5 つ星寝台列車エル・トランスカンタブリコに乗って 4 州を快適かつ効率よく巡ることもできます。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ

隣接するカンタブリア州

バスク州サン・セバスチャン

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