カタルーニャ
Cataluña
煌めく地中海と、山麓の美しい村
カタルーニャといえば、州都のバルセロナが有名です。スペイン第二の都市であり、地中海に開けた温暖で開放的な雰囲気は世界中の人を魅了します。ガウディ建築に代表されるモデルニスモ建築が開花した近代的で優美な町並みや、豊かな食文化など、知れば知るほど面白い街です。
しかし、カタルーニャの魅力はそれだけではありません。地中海に面した海岸線沿いには、ダリが暮らしたカダケス、高級リゾート地として有名なシッチェスなど、風情ある港街が点在しています。
州北部のピレネー山脈には、中世の趣を残す美しい村や、小さなロマネスク建築が山間に佇んでいます。お隣の小国家アンドラ公国や、カタルーニャと歴史的な繋がりを持つフランスのピレネー=オリアンタル県へ足を延ばすのも良いでしょう。
- 基本情報
- カタルーニャ見どころ5選
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カタルーニャ
カタルーニャはスペインに 17 ある自治州の一つです。イベリア半島の北東部に位置しており、地中海沿岸のジローナ県、バルセロナ県、タラゴナ県と、内陸部のレリダ県の4県から構成されています。
州都バルセロナは、スペインのみならず地中海における陸、海、空の玄関口として世界中からたくさんの人が訪れる国際的な街です。近郊には、カタルーニャの聖地モンセラットや優雅な港町シッチェス、ロマネスク建築ファン垂涎のサン・ペドロ教会群があるテラッサなど、魅力的な場所が多数あります。
州南部にはローマ時代に栄華を極めたタラゴナ県があります。世界遺産に登録されるタラゴナ市内のローマ遺跡やコスタ・ドラーダ(黄金海岸)と呼ばれるビーチ、地中海エリアで最も重要な河川であるエブロ川の三角州「デルタ・デル・エブロ」などが見どころです。
州北部の沿岸部にはフランスと国境を接するジローナ県があります。コスタ・ブラーバ (荒々しい海岸) の名で知られる地中海沿岸には、ダリの家で有名なカダケスや、ポルボウなど自然に溶け込む美しい村が点在しています。内陸部には、ロマネスク美術を堪能できる県都ジローナやリポールをはじめ、べサルーやプッチサルダーといった美しい村、のどかな風景が広がります。ピレネー山脈を越えて、「北カタルーニャ」と呼ばれる南仏のセルダーニュ地方やペルピニャンを訪れることで、カタルーニャの歴史がより深まることでしょう。
州北部の内陸部に位置するレリダ県では、ピレネーの大自然とロマネスク建築を堪能することができます。スペイン最大のスキー場のひとつであるバケイラやフランスとの国境沿いにあるアラン谷は、自然の宝庫です。ボイ渓谷やセオ・デ・ウルヘルでは、ロマネスク芸術をゆっくりと鑑賞しましょう。ミニ国家アンドラへ足を延ばすこともできます。
アクセス
バルセロナ
バルセロナ空港、各都市からバス・列車が発着。
タラゴナ
列車|バルセロナなどカタルーニャ諸都市、バレンシア、アンダルシア、マドリッド、フランスなど
バス|スペイン各地へ発着
ジローナ
列車|バルセロナ、マドリッド、サラゴサ、仏国境沿い
バス|ジローナ県各地、南フランスなど
レリダ
高速列車AVE|マドリッド、バルセロナ、サラゴサ
バス|マドリッド、バルセロナ、アンドラ、アラン渓谷、ピレネーなど
カタルーニャの見どころ5選
見どころ1 歴史が見える街-バルセロナ
バルセロナはカタルーニャ的であり、国際的、地中海的、そしてスペイン的な魅力を持つ街です。19 世紀にスペインでいち早く産業革命を迎え、カタルーニャの一港町から国際都市へと変貌を遂げました。経済、文化、産業、歴史の中心地としてその勢いは留まるところを知らず、様々な文化を吸収しては新しい文化を生み出してきた創造の街です。その足跡は建築・芸術という目に見える形でしっかりと受け継がれています。
19 世紀にカタルーニャで花開いたモデルニスモ様式は、現在のバルセロナの街並みに花を添えました。サグラダ・ファミリアをはじめとした数々のガウディ建築や、カタルーニャ音楽堂、サン・パウ病院はその代表例です。街の歴史を象徴するモンジュイックの丘の中腹には、通称 MNAC(ムナック)と呼ばれるカタルーニャ美術館があります。カタルーニャの歴史が詰まった武術館では、美術様式ごとに、年代をおって展示物を鑑賞することができます。ロマネスク様式の展示物は必見です。11~12 世紀にかけてピレネー山脈のボイ渓谷に建てられたロマネスク建築群のフレスコ画をはじめとした数々の壁画、素朴で味わいのある木彫や柱頭彫刻など、世界に類を見ない豊富なコレクションを間近で鑑賞することができます。また、モデルニスモ様式のセクションでは、ガウディだけではないカタルーニャの近代芸術作品に触れることができます。
市内には、MACBA(マクバ)と呼ばれるバルセロナ近代美術館、アントニオ・タピエス美術館、ピカソ美術館、ミロ美術館など、カタルーニャを代表する芸術家たちの作品を鑑賞できる美術館が多数あります。碁盤の目状の区画や道幅の広い目抜き通りなど開放的な街並み、地中海が見渡せる砂浜、古い城壁が残る旧市街地、バルやレストラン街など、バルセロナの見どころと一緒に、目に見えるバルセロナの歴史を探しに行きましょう。
見どころ2 中世の村とロマネスク建築
カタルーニャ内陸部には、中央ピレネーの雄大な自然が広がっています。かつて、キリスト教徒が領土を広げるために争い、入植活動を盛んに行った地域には、中世に建てられた古い教会や村が時を止めたかのように残っています。
アラゴンとの州境にほど近いボイ渓谷は、ピレネー山脈の心臓部、3000m 級の山々に囲まれた静かな谷です。どかな風景が広がる牧草地帯では牛の群れが草をはんでいます。ここに点在しているのが、小さなロマネスク教会群です。小さな村の教会は、1000年の時を超えて谷を見守り続けていました。元々はカラフルなフレスコ画で飾り立てられていた外壁や内壁はかすかにその跡を残すのみですが、簡素な装飾や構造、しっかりとした石造りの重厚感からは歴史の重みが伝わってきます。
その他にも、リポイのサンタ・マリア修道院の「石の聖書」と呼ばれるロマネスク様式の門、ジローナの大聖堂のロマネスク様式の「天地創造のタペストリー」、世界遺産に登録されるポブレ―修道院など、カタルーニャでは、貴重なロマネスク美術が大切に保存されています。
見どころ3 地中海の港町
温暖な地中海に面したカタルーニャ沿岸部には、絵葉書のような美しい港町が点在しています。フランスとの国境沿いに位置する海と山に囲まれたポルボウ、ダリの家があったことでも知られる地中海の白い村カダケス、バルセロナから電車で約 30 分に位置する優雅な美しさを持つシッチェス、スペインを代表するローマ遺跡を誇るタラゴナなど、地中海の風土と地域性が相まって、独特の美しさを放っています。ただの観光スポット巡りではなく、町を歩き、自然を鑑賞し、土地の味に触れることができる場所です。
見どころ4 食
地中海の恩恵を受けた山の幸と海の幸の味が最大限に引き出されるカタルーニャ料理には、多様なバリエーションがあります。パンにトマトをこすつけ塩とオリーブオイルでシンプルに食べる「パン・コン・トマテ」は、最も簡単にカタルーニャを味わうことができる魔法の食べ物です。カタルーニャの冬の味覚である焼きネギ「カルソッツ」、小粒の白インゲンと一緒に食べる「ブティファラ・ソーセージ」、薄いビーフ・ステーキを野菜のピューレソースで柔らかく煮込んだ「フリカンド」、クリスマスに欠かせない肉団子とマカロニのスープ「エスクデリャ」、ほぐした生鱈と夏野菜のサラダ「エスケイシャーダ」、たっぷりの魚介を煮込んだ「スケット」、パプリカ、ナス、玉ねぎなどの地中海野菜のオーブン焼きを冷製仕立てにした「エスカリバーダ」、ショートパスタをパエリア鍋で煮た「フィデウア」、クリーム・ブリュレのカタルーニャ版「クレマ・カタラーナ」、原産地呼称が認められた発泡ワイン「カバ」などなど、食材や調理法を眺めるだけでもカタルーニャの地理的多様性や様々な文化との交流が見えてきます。これらの料理を市場やバル、レストランで気軽に食べることができるのも大きな魅力でしょう。
見どころ5 フランスとあわせて楽しむ
南フランスには「北カタルーニャ」もしくは、「フランス領カタルーニャ」と呼ばれるピレネー=オリアンタル県があります。17 世紀半ばまではカタルーニャ共和国の一部であったため、文化的、歴史的にカタルーニャと深い繋がりを持っています。現在でもカタルーニャ語が話されており、二国間の国境沿いは車の往来も盛んです。仏国鉄のセルダーニュ線を走る黄色い列車「トラン・ジョーヌ」やマヨルカ王国の都として栄えたペルピニャン、10 世紀のロマネスク建築が山頂に鎮座するカニグー山など、二つの地域の繋がりを知ることができる歴史遺産が数多く残っています。
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